佐本の風景

佐本について

「古座の流れの水清く
  呼べば答える山々や・・・」(佐本小学校校歌)

佐本は、和歌山県南部の清流古座川の支流の一つである佐本川の周辺に点在する集落です。
佐本川地区は、佐本、大谷、防己の集落を合わせ世帯数は約180戸。
すさみ町古座川町の境に位置し、すさみ町に属します。

私達は、平成7年の春に生後6ヶ月の子供を連れて、ここ「佐本」に越してきました。
町から延々と続く山道を走る途中、土砂降りだった天気は一転、雲の切れ目から春の日差しが射してきました。
夫が一目で気に入って「ぜったいここがいい」 と決めてしまったものの、私にとっては初めて訪れる場所、そしてこれから家族で住みつづける場所。
いったいどんなところなのかワクワクしていました。

「ここだよ」 と佐本に到着したときには、すっかり青空のよいお天気。
雨のしずくがきらきらと輝いていました。そこは、山の中なのにぽっかりと拓けた不思議な空間でした。
きれいな小川が流れていて田んぼの間に古い家がぽつんぽつんと建っていて何だか大昔にタイムスリップしたみたい。

春が訪れると、ふきのとうが芽を出します。そして暖かくなってくると少しずつカエルたちが鳴き始めます。
これが聞こえ始めると毎年「ああ、春だなあ」と感じるのです。そしてレンゲが咲き始め、田植えにお茶摘み。

夏になると、子ども達の一番の楽しみは川遊び。川遊びのポイントはいろいろあってその日によって子ども達は場所を変えて遊んでいます。
魚を追いかけたり、エビを捕ったり、ダムを造ったり、ボードで遊んだり、大きな岩の滑り台をすべったり、自然の中で子ども達は、いろんな楽しい遊びを見つけます。
ヒグラシの鳴き声と子ども達の楽しそうな歓声を聞きながら、なんだかわたしもとても幸せな気持ちになるのです。

秋には、稲刈り、そしてキイジョウロウホトトギスの花が集落の至る所で咲き始めます。10月初旬には、佐本川地区最大のイベント、キイジョウロウホトトギス祭りがあります。そして、期間限定のカフェ&オープンガーデンには、遠方からも毎年、大勢の方がいらっしゃいます。

佐本で暮らしていると、四季おりおりの自然の中の様々な音が聞こえてきます。
春にはカエルやウグイス、夏にはいろんなセミたちの、秋には鈴虫たちの、冬には鹿の甲高い鳴き声、そして風の音、川のせせらぎ、耳を澄ませばもっともっとたくさんのいろんな地球の音が、聞こえて来ます。

佐本小中学校も132年の伝統に幕を閉じ、2009年3月で閉校になってしまって、まさに限界集落の佐本だけど、ここには無くなってしまったいろんな大切なものがいっぱい残っているような気がします。
わたしは、子ども達を見ていて「ここで育てて本当によかった!」と心から思えるのです。

だから、わたしはどんなに不便な場所でも、それに優る大切なものがいっぱい残っている「佐本」にできる限り住み続けたいと思うのです。
佐本和太鼓グループ「鼓太郎」は、ふるさと「佐本」のPRに活躍しています。

言葉では説明しきれないけど、是非一度、佐本に遊びに来てみて下さい。
                           --- bymin---

inserted by FC2 system